1800年代中ごろの英国における典型的なアンティークカップ&ソーサーのご紹介です‥‥と申しましょうか、
「本当のアンティークカップ&ソーサー・コレクション(蒐集)ことはじめ(事始め)」 へのお誘いをさせてください!
上の写真の作品をいかがご覧になられますでしょうか?ハンドルの跳ね上がりがお洒落だと思われませんか?ボディは全体的に丸みを帯びてとてもエレガントです。
絵柄は、派手さを避けた小さな花をここかしこにあしらえて、あまり地味にならないよう配慮しています。その花の描き方は1800年代前半において、よく見られるもののひとつです。
上の写真の作品 ダヴェンポート『紫の花』 もご参照くださいませ。
しかしながら、実は上のこちらの作品、メーカー・製造に関する情報が不明の『1800年代に典型的な詳細不明の作品のひとつ』となります。
アンティークカップ&ソーサーマーケットには、こうした詳細が不明の作品が数多く存在いたします。と申しますか、詳細不明の作品の方が多いのが実情です。 こちら には、1800年代の英国の窯元の事情を記してあります。
アンティークディーラーたちは何とか作品の詳細を突き詰めて、価値・価格を上げようとするのですが、そこには難しい作業が伴います。
皆さん、なかなか正直に「わからない」とはおっしゃることはなさいません。そこで、よく「ヴィクトリア朝の」という形容詞で済ましてしまうこともありますね。
1837年から1901年(ヴィクトリア女王在位期)と広い期間をカバーしますし、聞こえもよろしいのかと存じます(私の方でも、そうせざるを得ないこともあります)。 英国アンティークス ではいろいろな参考資料(英国でも絶版物の参考書や市販されていない窯元のパターンブックなどもあります)と突き合わせて、できる限りのアイデンティフィケーションを試みるのですが、難しいものが多いです。こちらのお品物も、1937年より前である可能性もないわけではなく、「ヴィクトリア朝の‥‥」と断言するわけにはまいりませんね。
それでも、こちらの作品が1800年代のものであろうことはまず間違いありません(おそらく1830-40年頃だと思われます)。そうした判断はカップ全体のかたち、ハンドルのかたち、磁器の質、焼き加減、灰降点や貫入の付き方、裏のパターンナンバーや刻印、バックスタンプなどから総合的になされます。
少し難しく聞こえますでしょうか?ほんの少しだけ経験が必要ですが、毎日写真を眺めているだけでも数週間もすれば、何となく感覚がつかめてまいります。
作品を眺めて自己流のお品定めをしたり、ちょっと本やインターネットで調べていると、楽しくて時間がたつのを忘れます。
もしかしたら、お求めいただいた後に「これはダヴェンポートの18XX年の、パターンナンバー781番で、○○ 卿のために作られた!(十分にあり得ることですね ^^ )」などという事実が判明すると、その喜びたるや‥‥ お友達を呼んでアフタヌーンティーでそのお話を披露したくなってしまうに違いありませんね!
有名なブランド物に高めの値段をお支払いになって、綺麗で、可愛くて、安全なお品物をお選びいただきますことは、確かにひとつの楽しみです。しかしながら、私は、もっと情や温かみがあり、歴史があって奥が深く、知的で、かつ芸術的にも美しかったり可愛かったりするお品物も併せてご紹介し、皆さまに
「本当のアンティークカップ&ソーサー・コレクション(蒐集)」
の楽しみを知っていただけたらと存じております。
「本当のアンティークカップ&ソーサー・コレクション(蒐集)」
とは、私にとりましては、まずその作品について自分自身で知ってゆこうとすること。
すなわち、その歴史や、形や、色や、出来、オリジナリティーや、世間での評価をちょっと調べてみて、今度は自分自身による評価を蓄積してゆくことです。
さらに、その古い作品と一緒に暮らし、優しく労わっててやること、愛着や情を蓄積して行くことです。そして、最後には、そうして集まったコレクションをさらに次の世代に受け継いで行くことであろうと思っております。
少し余談になりますが、ある大学の経済学者によりますと、アンティーク陶磁器は今後「投資」としても、最も安全に値上がりが期待できる数少ない分野のひとつだそうです。世界中がお金持ちになって、普段の生活品は足りてお金が余るようになると、こうした昔のお品物にこそ価値を見出す方が多くなるのだそうです。
例えば中国では明らかにそれが始まっていますね。それは私も実感しております。続いて、インドやブラジルの方々が必ず参加されるようになるとのこと。皆様のコレクションを次の世代の方が受け継ぐ頃には、とても価値が上がっていると‥‥そんな期待もできそうです。(笑)
なんだか、ずいぶん偉そうなことを申しているようで、申し訳ございません。私がお伝えしたいことは、このようなことが何ともとても楽しいということなのです。
お友達と一緒に蒐集したり、お話したり、自分なりの見方を紹介したり、その器でお茶をしたり。見せびらかすというのではなく、アンティークと友達になり、一緒に暮らしてゆくという感覚でしょうか。ずっと永く、ゆっくりと楽しめる優雅な趣味だと思っております。
マーケットの片すみで、あまりケアもされずに軽くあしらわれていたりすることの多い「詳細不明のアンティークカップ&ソーサー」。大切に保護してくださる皆様のお手にお届けすることも、私のやりがいと喜びです。
多くのアンティークディーラーたちが、多少の擦れやカケのためにアンティーク作品を捨ててしまうの見るにつけ、心を痛めることが多いです。ここ20年くらいの間にでしょうか、こうした作品群が急激に少なくなってきているように感じます(実際に捨てられています‥‥)が、さらに今後5年・10年して、本当に数が少なくなった時には、皆さん本当に後悔し始めるのではないかと思っている次第です。
この機会に、皆さんもアンティークカップ&ソーサー・コレクションを一緒ににお始めになりませんか?
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イギリス 英国 アンティーク
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