英国のすばらしい人々

スージー・クーパー・ストーリー(2)

2009年12月13日
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昨日からスージー・クーパーという、英国の20世紀を代表するの陶器デザイナーの人生についてお話しております。





スージーの作品は、パリの芸術博覧会で銀メダルを受賞、自分のアトリエも持ち、スージーの人生は一見軌道に乗っているように見えていた、というところまでが昨日のストーリーでした。





一見すべては順調に進んでいるかのように見えたのですが、その後彼女にとってもグレイ社にとっても大きな問題が出てくることになるのです。





ラスターウェアの特徴である、光り輝く薄い層のラスターは、少し使用すると簡単に剥がれてしまうという欠点が露見してしまったのです。そのようなわけで、ラスターウェアは作られた数が大変少なく、この時代のラスターはとても貴重な作品になります。





そのとき、スージーはグレイ社の主流商品をラスターウェアからエナメルの手描きの商品に置き換えることをグレイ社長に提言しました。これは彼女自身が昔、兄のビジネスを手伝ったときに学んだ「顧客の要望に応える」というビジネス哲学があったからこそだと思われます。





その後も、スージーの社内での活躍は目覚しく、グレイ社では製品に「Designed by Susie Cooper」というバック・スタンプを入れることになりました。





そんな成功にもかかわらず、スージーは常に陶器そのもののデザインがグレイ社ではできないということに不満がありました。また、グレイ社のセールスが彼女のデザインに口を挟むようになってきたこともあって、とうとう彼女はグレイ社を去ることにし、独立をすることにしたのです。それは1929年10月29日、スージーの27歳の誕生日のことでした。





英国・コッツウォルズより愛をこめて




その時代の英国では20代の女性が独立して事業を興すなどということは、当然ふつうのことではありませんでした。その前代未聞のスージーのチャレンジは、家族や周りの人間の協力によって成し遂げられるのです。しかしそんなとき、新たな問題が彼女を襲います。





スージーの27歳の誕生日直前、1929年10月24日(木)ウォール街における株価暴落「暗黒の木曜日」がおき、それが世界恐慌の引き金となり、あっという間に世界中の経済に大打撃を与えることになるのです。





この世界恐慌はアメリカは第一次世界大戦の戦場にならなかったため、戦争景気による過剰な貸付や投資が行われていたときの、いわゆるバブルの破綻が原因となっています。





そんな大不況の中、スージーはビルの一部屋をアトリエに、もう一部屋をオフィスにして彼女の事業をスタートさせます。





幸運なことに、スージーとともに仕事をしたいという人々が集まってくれましたので、新しい事業はスムーズに進むかのように見えました。





ところが‥‥また、ところが、です。





またもや新たな難題が彼女に降りかかってきました。それは、不景気の煽りをうけ、スージーがアトリエ兼オフィスにしていた場所を立ち退かなければならなくなったのです。それは彼女がそこにアトリエを構えてから、たった3週間後のことだったのです。





そこで作った作品には「Tunstall」のバックスタンプが入っていますが、それが入った作品はとても珍しい作品となってしまいました。





        英国・コッツウォルズより愛をこめて






1930年3月にようやくスージーたちは新しいオフィスを構えることができました。そして再度事業を再開します。彼女たちは、絵付けをするための陶器を買う必要がありましたが、世界不況の影響がスージー達に見方をしました。なぜならば、陶器メーカーはホワイト・ウェア、つまり絵付けをするための白い素地の陶器を販売する必要があり、どの会社もホワイト・ウェアの低価格競争になっていたからです。





そして、彼女たちが以前のアトリエを立ち退いた4ヵ月後に、新しいアトリエのでの初めての作品をやっとつくることができました。度重なる苦労に立ち向かう、スージーのパワーはすごいですね。アーティストとしてだけではなく、ビジネスや生き残るための知恵を持ち合わせていたのは必須ですね。





その後も、第2次世界大戦中の1942年にアトリエが火災に合い、スージーのほとんどのデザイン画が失われ、3年後の1945年にやっと再開できるも、1957年に2度目の火事で、すべてを失うという、凡人であれば立ち直れないような経験をしますが、1972年にはその活動が認められ、エリザベス女王より大英帝国勲章を受章します。



しかしそこにたどり着くまでにも財政危機などの問題がおこり、1966年会社はウェッジウッドの傘下となり、スージーはウェッジウッド社のデザイナーとして活躍していくことになります。そしてそこでも人気デザインの、ブラック・フルーツやグレン・ミストなどの新境地を発表していくことになります。




英国・コッツウォルズより愛をこめて


     スージー・クーパー作、ブラック・フルーツ・シリーズ


英国・コッツウォルズより愛をこめて



          スージークーパー作、グレン・ミスト



いつも前向きに生きてきたスージーですが、1972年に最愛の夫を失くした2ヶ月後には、ウェッジウッド社も退社し、それから4年間もの間、活動を停止してしましまいました。彼女は仕事にも生きながらもプライベートな生活もとても充実していたようです。



英国・コッツウォルズより愛をこめて



先日紹介いたしました、上の作品クラシック・ヴィスタは、スージーが建築家であった夫とともにデザインをしたものでスージーの傑作とも言われている作品ですが、それと同時に二人の愛の結晶の作品だとも言うことができるでしょう。



1986年、スージーは一人息子のティモシーとともにマン島に移り住んでからもさまざまなデザインをつづけ、「生涯現役」を地で行ったような人生を歩みました。1995年にこの世を去るまで、彼女は現役デザイナーとして60年もの間、活動を続けたのでした。言い換えますと、生涯努力の人であったと言えると思います。





デザインがいい、作品がすばらしい、だけでは名を残せなかった、スージー・クーパーの人生は私たちに多くのことをおしえてくれるのではないでしょうか。



      英国・コッツウォルズより愛をこめて











明日は、スージーがグレイ社時代につくったと思われる美しいカップ&ソーサーをご紹介いたします。とてもレアな作品ですので、お見逃しのないように!



今回のスーシー・クーパー・ストーリー、お楽しみいただけましたでしょうか。もしお楽しみいただけましたら、下の3つのバナーをクリック!お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。ニコニコ



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7 Comments

  • Reply 伊豆・赤子母 2009年12月13日 at 12:26 AM

    1 ■無題
    >「そんな成功にもかかわらず、スージーは常に陶器そのもののデザインがグレイ社ではできないということに不満がありました。」

    というのは、持ち手だとか大きさは既製品(?)会社の規格(?)ということですか?

    細部まで妥協しない仕事っぷりがすてきな女性ですね!
    http://ameblo.jp/akago-mam/

  • Reply abochin 2009年12月13日 at 4:45 AM

    2 ■情熱の人
    だったんですね。土台を揺るがすことが起きても製作し続ける情熱をおしえてくれてますね。何か、ドキュメンタリー番組を見てるようで、すごい記事だと敬服します。
    http://ameblo.jp/6758ab/

  • Reply ちゅうちゅうねずみちゃん 2009年12月13日 at 9:29 AM

    3 ■拍手喝采!
    すごい女性ですね!昔の女性は、みんな強いですね!
    http://ameblo.jp/chuchunezumichan/

  • Reply セレニティローズ 2009年12月14日 at 12:53 AM

    4 ■感動しました☆
    こんにちは。
    英国でアンティークにはまりスージークーパーのカップ&ソーサーをいくつか持っていますのでとても興味深く読ませていただきました。
    軸のぶれない努力の人だったのですね。
    スージーのように強く生きていこうと思いました。
    Miaさん体調いかがですか?
    どうぞお体大切に・・。

    http://ameblo.jp/serenityrose/

  • Reply 英国アンティークス・Mia 2009年12月15日 at 2:15 PM

    5 ■Re:情熱の人(abochinさん)

    >abochinさん

    コメントのお返事がおそくなりまして失礼いたしました。

    彼女の作品を見ている限り、優しいとかラブリーというような言葉がぴったりくるのですが、実はabochinさんのおっしゃるとおり、まさに情熱の人だっただったようですね。素晴らしい生きざまだったと思います。

    Mia


    http://ameblo.jp/eiokuantiques/

  • Reply 英国アンティークス・Mia 2009年12月15日 at 2:19 PM

    6 ■Re:拍手喝采!(ちゅうちゅうねずみちゃんへ)

    >ちゅうちゅうねずみちゃん

    コメントのお返事が遅くなりまして失礼いたしました。

    作品のエレガントさからは見えてこないスージーの意思の強さ、これが人気の秘密なのかもしれませんね。

    Mia




    http://ameblo.jp/eiokuantiques/

  • Reply 英国アンティークス・Mia 2009年12月15日 at 2:22 PM

    7 ■Re:感動しました☆(セレニティローズさんへ)

    >セレニティローズさん

    コメントのお返事がおそくなりまして失礼いたしました。

    セレニティローズさんのおっしゃる、軸のぶれないということ、大切だと思います。私もそのように生きていけたらと思います。

    おかげさまで体調のほうは良くなってまいりました。ありがとうございます。日本もこれから寒さが厳しくなってくると思います。セレニティローズさんもどうぞご自愛くださいませ。

    Mia


    http://ameblo.jp/eiokuantiques/

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